かもめ鍼灸治療院では、首肩の痛みやこり、腰痛の患者様が8割を占めます。それだけ現代の日本人に馴染みが深い疾患といえるでしょう。腰痛は何かしらの原因で文字通り腰や殿部が痛むことです。坐骨神経痛やヘルニア、筋肉の硬さなど、原因が何であれ腰が痛ければ腰痛です。
腰痛(首肩の痛みもそうですが)の原因は、内臓疾患由来のものと骨折を除くとおおむね2種類あります。ヘルニアや脊柱管狭窄症などの骨や関節が由来のものと、筋肉が由来のものがあります。鍼灸が特に効力を発揮するのが筋肉由来のものです。かもめ鍼灸治療院では週一回のペースで3〜5回の施術で、腰痛による日常生活の支障をなくすことを目的にしています。どうやってそれを判断するのか?整形外科で骨や関節に異常はないと診断されたものの痛みが引かないものがそれに当たります。また骨や関節が原因とと診断されたが、手術や電気治療、投薬をしても全く効果がない場合も筋肉が原因である可能性が高いです。
腰痛を起こしやすい筋肉は4種類ほどありますが、深い場所にある筋肉が痛みやしびれの原因になることが大半です。この部分が硬くこわばってしまうと、神経を圧迫して痛みやしびれを出します。そしてその筋肉の血管は圧迫されて血流が悪くなり、筋肉自体が栄養されなくなり、痛みやしびれは更に悪化します。体格や性別にもよりますが、深い部位の患部は5〜10㎝以上深いところにあります。手や温熱療法だとどうしても上の肉が邪魔になって力が分散したり、熱が届かなかったりするので効果は落ちます。
鍼がその他の治療法と一線を画すのは、「直接硬くなった筋肉に届かせることができる」そこにつきます。鍼が入った筋肉は軸索反射という反射が起こり、それは打たれた部位の血管を拡張させます。拡張した血管は酸素や栄養を周囲に送り、溜まった疲労物質を洗い流します。結果血流が改善されて、硬くなった筋肉が柔らかくなります。それでも硬さが取れない場合は、中国の特殊な鍼を使用します。大概はそれで柔らかくなります。
もちろん年季を経て硬くなった筋肉を1回の施術で元の新鮮な筋肉に戻すことは難しく、完治にまでに3回〜5回ほどかかります。硬くなった筋肉は文字通り硬く、ひどい場合では陶器のような硬さが鍼から伝わってきます。細い鍼だとまず刺さりません。とはいえ、施術回数を重なるたびに筋肉の硬さが減り、スムースに鍼が入るようになります。この頃には痛み自体もおさまっています。そういう意味では筋肉の硬さに年季が入っていないぎっくり腰などの急性症状の方が治りやすいです。元々がそこまで硬くないですから1回〜多くて3回くらいで治ります。
事故や転倒などの衝撃で筋肉が防御反応を起こしてしまい、異常に硬くなった筋肉(ムチウチなどもこれにあたる)は5回〜10回くらいかかりますが、完治レベルまでもっていけます。この時の筋肉は本当に硬く、鍼を入れるのに一苦労です。
時間がかかるor不適応である腰痛は、ヘルニアや脊柱管狭窄症、骨折といった骨や関節が原因となる腰痛です(例外あり)。
症状の原因が急性のヘルニアや、脊柱管狭窄症と明らかにわかっている場合は時間がかかります。数ヶ月単位で毎週治療する必要が多いです。
とはいえ、そこまでの症状がでるのには腰の筋肉もほぼ100%硬くなっています。その腰の筋肉を緩めていけば症状が改善する場合も多々あるので、とりあえず鍼を打っておくにこしたことはないでしょう。数回施術して、改善をみることができれば
気にならないレベルまで持っていけることが多いです。
逆に3回治療して全く効果を感じられなければ、鍼での効果改善は難しいといえます。骨折なんかは不適応ですね。また,コルセットに依存してしまっている人はかなり治しづらいです。