こんにちは、かもめ鍼灸治療院です。
以前にも書きましたが、鍼灸に実際に関わったことがない人はかなり多いように思います。しかし、鍼灸やツボの存在はなんとなく知っている。その方たちにとって鍼灸とはミステリアスな医療行為というイメージが強いようです。
以前友人がアイスピックで手の平を突いてしまい、「血が止まらないがこれはどこか悪いツボを突いたのではないか」と画像付きのメールを送ってきて苦笑したことがあります。
これは漫画や映画など、様々なジャンルのメディアの影響もあるのかなと思います。もちろんそういったメディアを否定するものではありません。そういった作品は非常に面白いものが多く、自分も好んで読んだり観たりしています。
ツボや鍼は、特にアクションを題材としたフィクションのメディアで扱ったものが多いように思います。北斗の拳、時代劇の必殺シリーズ…ゲームでも経絡(ツボが流れる道)を操作するキャラクターがいます。
村上春樹さんの「1Q84」でもツボに針を刺す女殺し屋が主人公でした。有名なタランティーノ監督の映画「キル・ビル」では五点掌爆心拳なる技があり、体の五ケ所のツボを打ち、五歩歩いた後に心臓を破裂させるという物騒なものでした。なんにせよ、フィクションにおける鍼やツボは人体を破壊することを割合が多い。
ツボを突き、心臓を爆発させるなどということは荒唐無稽です。しかしなぜか、魔法よりは現実味を感じる程度には納得させる説得力はある。科学では説明できないが、人体を操作する経絡やツボといった世界観は受け入れやすいものなのかもしれません。
それは鍼灸やツボなどの東洋医学、我々が暮らす文化に今でも生き続けているからではないでしょうか。
例えば、七夕まつり、節分、その他の季節ごとの行事や、日本のお祭りや習慣は、東洋医学の根底にある思想である、陰陽論や五行説に影響を受けているものものがとても多いです。大陸から陰陽や五行の思想が入り、当時の土着信仰、神道や仏教と混ざり合い、現在でもお祭りやイベントとなって引き継がれています。(祭事や古来よりの習慣と陰陽五行説との関わりは大変面白いのですが、別の機会に)
漢方薬は大陸から入り鎖国の時代から独自の発展をとげました。今では病院や薬局で処方されることは珍しくありません。本屋やコンビニでもツボの本や、薬膳料理を扱った本をよく見かけます。意識してみると実はとても身近にある領域なんです。
前述した、フィクションの世界における鍼やツボの役割をそこまで奇異に感じない土台は、昔から日本人の無意識の中で、なじみ深いものとして意識されてているからなのかもしれません。
しかし、鍼灸の実態となるとやはりまだ認知度が低いのが現状のようですね。その原因もおいおい書いていこうと思います。
八王子はとても暑いです。身体に熱がこもっている患者さんも多いです。暑いからといって冷たいものを摂りすぎませんように。ほどほどに暖かいものも摂るように、冷房をつけすぎず、暴飲暴食をさけますよう。
かもめ鍼灸治療院 トクスエ