こんにちは、かもめ鍼灸治療院です。前回に続き今回もお灸について少し書きます。
お灸はヨモギから作られていると書きましたが、ヨモギは薬効が非常に高く、体を温め、消化器の病、神経痛、痔などの民間薬として使われてきました。また、傷ができた時に貼ると出血を抑えるそうです。
そういえば、子供の時分、野生児のような友人がいたのですが、草で足を切ったらヨモギを張り付けてましたねえ。「これで血がとまる」なんて言ってたのをこれを書いていて思い出しました。
また、端午の節句の時にショウブとともに風呂に入れたり、飾られたり、食べたり、厄除けや魔除けとしてヨモギが使われていたのはそのような薬効の強さという側面もあるでしょう。
また戦国時代に、火縄銃の火薬の原料として使っていたそうです。ヨモギに糞尿をかけて、火薬のもとを作り出していた。織田信長を苦しめた本願寺門徒や傭兵集団は、火薬の増産を機密にして製造し、大量の鉄砲を使う事ができたことがその強さの秘密だったらしいですね。
色々とヨモギはすごいものです。
さて、お灸の話です。お灸はヨモギの葉の裏の細い毛からできて、もぐさに加工されます。種類も様々なものがあります。かもめ鍼灸治療院でよく使うのはもぐさを米粒の半分程度の大きさにひねって、ツボや痛む場所にのせて使います。
お灸は温熱刺激によって痛みを和らげたり、ごく微細な火傷をあえておこすことで、免疫細胞を増やします。後者の効果は中々面白く、以前、ものもらいができて困ったのですが、人差し指にあるツボにお灸を九つほどすえたらものもらいがすっと消えて驚いたものです。ただこれは少し熱い。
かもめ鍼灸治療院で使うのは以下の写真のもので、特に写真右の黄色いもの、米粒の半分ほどの大きさのお灸を主に使います。時として百を超えるお灸をすることもあります。
このように、お灸は状況によって熱の量やお灸の形も違ってきます。
薬局で売っているお灸でもとても効果があります。最初は一番熱の量が少ないもので十分です。ほんわりと患部が暖かくなってくるのを目安にします。冷えの強いところはかなりのお灸をすえなければなりません。
膝の痛みなど、毎日お灸をしていればかなり痛みは減り、運動療法などを組み合わせるとなお良い効果が期待できます。歩行困難だった方が日常を歩けるようになるまで改善する例を何度もみています。薄皮を一枚一枚はがしていくようにお灸による治療を続けていくと、必ず効果はでます。
毎日やり続けるのは中々骨が折れますが、結局一番大事なところは日々の健康維持を意識するということだと思います。お灸に限らず、睡眠時間を増やしたり、毎日の入浴したり、日々の運動をする等、それをやり続けることのほうがある意味治療以上に重要になっていく。ただ現代の中でそれを維持するモチベーションを保つことができるのは中々難しい。その根幹を考える必要がありそうです。
八王子は昨日は暑かったり涼しかったり、蒸したり、色々忙しい天気です。風邪を引きそうな方、すでにひいてこじらせている方が多くなったように感じます。冬だけでなく手洗い、うがいをして風邪の予防につとめますよう。
お大事になさってください
かもめ鍼灸治療院
徳末